糖尿病の「境界型」とは?症状や診断基準を紹介いたします
糖尿病の「境界型」とは?
糖尿病の検査を受けたら「境界型」と診断されたけれど、それはどういう身体の状態なのかよくわからないので、今までと同じ日常生活を送っているという人もいるのではないでしょうか?でも、「境界型」と診断された人がライフスタイルを改めないでいると、数年以内に糖尿病を発病する確率が高いことが明らかになっています。
「境界型」は、糖尿病になる前の段階で「予備軍」とも言われています。1型の糖尿病(インスリン依存型糖尿病)と違って、2型糖尿病の人は何年もかけて血糖値が高くなり、糖尿病と診断されます。この進行を食い止めるためには、食事や運動などの生活習慣を改善する必要があります。
自覚症状があまりないだけで、「境界型」と診断された段階で、既に身体の内部では様々な変化が起こり始めています。例えば、血糖値が高いということは、血糖値を下げてくれるインスリンの分泌が低下してきたり、機能しにくくなったりしていると考えられます。
食生活を改めて、適度な運動を定期的に行うことで糖尿病の予防は出来ますので「境界型」と診断されたら、まず生活習慣の改善を行いましょう!
糖尿病診断のための検査と結果
糖尿病診断の検査には様々な方法がありますので、代表的なものを4つご紹介します。
1、随時血液検査
食後からの時間を決めないで採血して血糖値を測るので、朝食を抜かずにできる検査です。随時血糖値が200mg/dl以上ある場合は「糖尿病型」と診断されます
2、早朝空腹時血糖検査
検査当日の朝食を抜いた空腹の状態で採血して血糖値を測る検査です。早朝空腹時血糖値が126mg/dl以上ある場合は「糖尿病型」と診断されます
3、75gOGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験)
検査当日の朝まで10時間以上絶食して、空腹の状態で採血して血糖値を測ります。その後、ブドウ糖液を飲んで30分後、1時間後、2時間後の計3回採血し血糖値を測る検査です。2時間値が200mg/dl以上ある場合は「糖尿病型」と診断されます
4、HbA1c(NGSP)
平均血糖値を反映した結果が出る検査です。血糖と違って食事の影響を受けないのでいつでも検査ができます。
上記4つの検査のうち「糖尿病型」と診断されるのは「①~③のどれか1つと④に異常がある場合」です。「正常型」は「②早朝空腹時血糖値 110mg/dl未満」または「③75g経口ブドウ糖負荷試験2時間値140mg/dl未満」です。「境界型」は「糖尿病型」でもなく「正常型」でもない場合を指します。まだ糖尿病だと確定診断はされないけれど、正常よりも血糖が高い状態ということです。
境界型なら合併症は大丈夫?
糖尿病特有の三大合併症と言われるのが「網膜症」「腎症」「神経障害」です。境界型の人が特別これらの合併症に気をつけなければいけないことはないようです。けれども、「血管の問題」は糖尿病の慢性合併症と言われ、境界型のときから気をつける必要があります。
正常型の人よりも血糖値が高い境界型の人の血管は傷んでいることが多く、動脈硬化も進行しやすくなっています。動脈硬化とは、動脈の壁が厚くなったり硬くなったりして、本来の構造が壊れて働きが悪くなる病変の総称です。糖尿病や境界型の人はそうでない人と比べると、首の動脈の肥厚や脳血管障害、虚血性心臓病などが高い頻度で起こりやすくなると言われています。
糖尿病は早期には自覚症状の現れにくい病気なので、境界型の段階で発見出来ればラッキーです。境界型だと診断されたら、生活習慣を見直してきちんと定期的に検査を受けて糖尿病を発症しないように気をつけていきましょう!