かくれ糖尿病の検査法とセルフチェック
健康診断で見付からない「隠れ糖尿」とは?
健康診断を受ける日の前日は22時前に夕食を済ませておくこと、そして当日は朝食をとらないことなどを言い渡されますね。つまり健康診断における糖尿病の検査は、空腹時の血糖値で診断されます。食後は誰でも血糖値がいったん上がるため、空腹時の血糖値をチェックするほうが糖尿病あるいは高血糖になっているかどうかの診断は一般的に空腹時に行われるのです。
ところがこの「隠れ糖尿」は、空腹時の血糖値は健康な人と同じであるにも関わらず、食後の血糖値が高血糖や糖尿病の人と同じように200mg/dl以上に上昇し、2〜3時間経過してもまだ140mg/dl以下に下がりません。かなりの高血糖であり糖尿病予備軍であるためただちに対策が必要なのですが、健康診断で測られる空腹時の血糖値からは発見されにくく、自分でも気づかずにそのままの暮らしを続けてしまいがちです。そして明らかな糖尿病になってからやっと健康診断や病院の検査などで発覚するのですが、そのときには病状がかなり進行してしまっているケースが多いのです。
隠れ糖尿の危険度をチェック!
では隠れ糖尿病に関する危険度を以下のセルフチェックリストで探ってみましょう。自分にあてはまると思う項目の右の欄にチェックを入れてみてください。
1. | 食べる量が多いほうだ | |
2. | ほぼ毎日お酒を飲む | |
3. | 血縁者に糖尿病にかかった人がいる | |
4. | 食べる速度が速いほうだ | |
5. | 白米やパンが大好きだ | |
6. | 緑黄色野菜や果物をほとんど食べない | |
7. | 炒め物や揚げ物をよく食べる | |
8. | 朝食をほとんど食べない | |
9. | 40歳以上である | |
10. | ジュースや清涼飲料水を毎日のように飲む | |
11. | 運動をほとんどしていない | |
12. | ストレスがあると感じている | |
13. | タバコを吸う | |
14. | 睡眠時間が毎日7時間以下である | |
15. | 最近太って肥満気味だと感じている | |
16. | お腹の調子があまりよくない | |
17. | 足がつることが多い | |
18. | 疲れがなかなか抜けずだるいと感じることが多い | |
19. | 手足がほてったりしびれたりする | |
20. | のどがやたらと渇く | |
21. | よく食べるのに体重が減った | |
22. | たまにめまいがすることがある | |
23. | 目がかすんで物が見えにくいことがある | |
24. | 傷が治るのが遅くなった | |
25. | 尿からあまいにおいがする |
【チェック項目1〜15のうち5つ以上あてはまった人】
糖尿病になりやすい、あるいはすでに高血糖の可能性があるので注意してください。
【チェック項目16〜25のうちで3つ以上あてはまった人】
糖尿病の初期症状が出ていますので、ただちに病院で検査をすることをおすすめします。
耐糖能精密検査でわかること
上記のセルフチェックから高血糖や糖尿病の可能性があると感じて病院へ行っても、かくれ糖尿病であれば病院の検査をすり抜けてしまうかもしれません。その場合に有効なのは「耐糖能精密検査」を受けることです。
耐糖能精密検査は耐糖能試験または耐負荷試験とも言われ、以下の手順で行われます。
- 検査前日の夜から絶食(10時間以上)
- 検査当日空腹時血糖を測る
- 75gのブドウ糖水溶液を一気に飲む
- 30分後、60分後、120分後に採血して血糖値を測る
- 空腹時と糖分を摂った後の血糖値により判定を行う
空腹時だけでなく一定のブドウ糖を摂ってから時間経過と共に血糖値がどのように変化するかを測る検査なので、インスリン分泌機能、インスリン初期分泌の低下、インスリン抵抗性などを把握することができ、かくれ糖尿病も見逃すことはありません。
これは宿泊して行う人間ドックでは通常プログラムに組み込まれている検査で、もし入っていなくても追加することが可能です。また、医療機関であればいつでも申し込めば検査してもらうことができます。